ゼロカロリー・低カロリー食品に入っている甘味料の正体とは?砂糖との違いを解説
「ゼロカロリー・低カロリー」と記載されている食品や清涼飲料水には、砂糖の代替品として非糖質系甘味料が使用されています。
非糖質系甘味料は砂糖の数十倍~数万倍の甘さを有するため、高甘味度甘味料と称されています。もともと体内で代謝・吸収されない甘味料は、ゼロカロリーであり、それ以外の場合でも食品や清涼飲料水などに使用する際には、砂糖の使用量と比較するとごく少量で甘味付けが可能なため、商品の低カロリー化が実現できます。
今回は、ゼロカロリー・低カロリーの甘味料を砂糖の代替品として使用する場合のメリットと、各甘味料の特徴についての一覧表、高甘味度甘味料を使用してカロリーオフを実現した採用事例をご紹介します。
「最適な甘味料を選定するためのポイント」を1冊にまとめた資料を無料プレゼント!
下記でご紹介する、カンゾウについて、食品・飲料・医薬品メーカーの企画・開発ご担当者向けに、「最適な甘味料を選定するためのポイント」を1冊にまとめた資料を無料でダウンロードいただけます。
是非ダウンロードの上、商品開発にお役立て下さい!
「ゼロカロリー・低カロリー」甘味料のメリットとは?
近年、ゼロカロリーや低カロリーをうたった飲料や食品が増えていますが、その背景には消費者の糖質ケアや成人病対策など、ヘルシー志向が強まっている傾向がみられます。
年齢や性別、身体活動レベルなどにより個人差がありますが、1日の摂取カロリーには最適数値の目安があり、1日に必要なカロリーを超えたエネルギー量を摂取し続けた場合、肥満や病気などのリスクが懸念されます。そこで手軽に摂取できる低カロリー・ゼロカロリー商品のニーズが高まり、その味にもバリエーションが増えてきました。
甘味料は大きく糖質系と非糖質系に分類されます。
調味料の中で代表的な砂糖は糖質系甘味料に分類され、甘味料の中ではカロリーと糖質が高いのが特徴です。
一方、非糖質系に分類される砂糖の代替品として使用される甘味料は、砂糖の数十倍~数万倍の甘さを有しながらも、大半がゼロカロリーで糖質もありません。中にはわずかにカロリーを有する甘味料も存在しますが、商品に使用する場合にはごく少量なため、カロリーと糖質を抑えられます。
そのため、食品に使用する砂糖をゼロカロリー・低カロリーの高甘味度甘味料に代替使用することで、食品のヘルシー化や糖質低減のレシピデザインが可能となり、各食品・飲料メーカーなどから、様々な商品が販売されています。
また、高甘味度甘味料は、甘味度や味質、熱やpHの影響を受けづらいもの、非う蝕性など、それぞれの機能性が異なります。そのため、使用目的に合わせての使い分けが可能な点もメリットの一つです。
ゼロカロリー・低カロリー甘味料の特徴一覧
弊社で取り扱っている「ゼロカロリー・低カロリー」甘味料の特徴を一覧表で紹介いたします。
甘味度(砂糖と比較) | 味質 | その他の特徴 | |
スクラロース | 約600倍 | ・比較的砂糖に近い甘味質
・後甘味で後引きがある ・他の甘味料との併用により砂糖に近い甘味を出すことが可能 |
・加熱や酸性条件下、耐光性・長期保存性に安定 ※粉の状態で直接加熱すると褐変する。
・塩かど・酢かど軽減 ・不快味マスキング効果 ・非う蝕性 |
アセスルファムカリウム
(アセスルファムK、アセK) |
約200倍 | ・甘味の立ち上がりが早い
・後味が残らずすっきりとした甘味 ・若干の苦味あり |
・加熱や酸性条件下、耐光性・長期保存性に安定
・非う蝕性 ・酸と併用すると酸味や苦味のマスキング |
アスパルテーム | 約200倍 | ・砂糖に近い味質
・苦味や渋味も少なく、後味もすっきりしている |
・弱酸性のpH範囲内安定
・非う蝕性 ・酸と併用すると酸味や苦味のマスキング |
サッカリンナトリウム
(サッカリンNa) |
約300倍 | ・後味に苦味あり、後に残る甘さがある | ・熱、pHに安定
・耐光性 ・非う蝕性 |
ステビア | 約150~300倍 | ・後味に苦味あり、後に残る甘さがある | ・熱、pHに安定
・非う蝕性 ・塩なれ、酢かど低減 |
酵素処理ステビア | 約150~200倍 | ・後味に若干の苦味があり、後に残る甘さがある
(通常のステビアより苦みが軽減されている) |
・熱、pHに安定
・非う蝕性 ・塩なれ、酢かど低減 |
カンゾウ | 約200~300倍 | ・苦味が強く、後味に甘さが残る | ・pH、加熱に比較的安定
・非う蝕性 |
カロリーオフ製品への甘味料の採用事例
タンパク質臭の軽減とカロリーオフ、調合計算のしやすさを実現したプロテインバー
プロテインバーを製造する際に、「大豆由来のタンパク質臭の軽減と、可能な限りカロリーを抑えたい」というご要望をいただきました。
不快臭のマスキング効果と砂糖の味質に近いアスパルテームとスクラロースの併用使用することにより、タンパク質臭の軽減と砂糖に近い甘味を実現することができました。また、どちらも体内で代謝されにくい性質を有しているため、同時にカロリーオフも実現。
2種の甘味度が異なるため、砂糖と比較して200倍の甘味度を有するアスパルテームに合わせて、スクラロースも同等の甘味度を有する倍散品を用意し、配合時の分量計算がしやすいように調整も行いました。
ジューシーな果汁感を付与したノンカロリーゼリー
塩辛などの発酵食品を作る際に、「魚介のワタと肝の持つ、独特の風味とコクを引き立てたい」というお客様からご要望をいただきました。
風味の増強や改善させる特性のあるステビアとカンゾウを組み合わせることで、魚介の複雑で独特な風味とコクを引き立たせることに成功しました。
ゼロカロリー・低カロリーの甘味料/甘味料に関するお問い合わせ
こちらの記事では、ゼロカロリー・低カロリーの甘味料について紹介いたしました。
高甘味度甘味料は、砂糖代替品として使用するのはもちろん、その多彩な特性を活かして製品化したい味を実現するために必要不可欠な存在です。
まずはお気軽に「甘味料選定」をお試しいただき、商品やお客様のニーズから最適な甘味料を見つけ出してくださいませ。より詳しい情報を知りたい方は「お問い合わせ」よりご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。