カンゾウ(甘草)の根に含まれる成分「グリチルリチン酸」の特性と採用事例
植物由来の甘味料・カンゾウ(甘草)の根には「グリチルリチン酸」という甘味成分が含まれています。
グリチルリチン酸は砂糖の数百倍の甘味度を有し、後引きの強い甘みと特有の風味を活かして、食品の甘味付けのほか、塩性食品などの塩なれにも実効性があります。
また、このグリチルリチン酸には、肌の炎症を抑える抗アレルギー作用や免疫細胞の調節作用も持ち併せているため、カリウムを付加した「グリチルリチン酸ジカリウム」としてスキンケア用品や医薬品にも利用されています。
今回は、このグリチルリチン酸の持つ甘味成分以外の特徴や、使用用途についてご紹介します。
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カンゾウの甘味成分「グリチルリチン酸」とは
グリチルリチン酸とは、マメ科カンゾウ属の根から抽出精製される甘味成分です。
砂糖の約200~300倍の甘味度を有し、後引きの強い甘みと独特の風味が特徴。食品の塩味を和らげるのに有効なため、醤油などの塩性食品や漬物、スナック菓子などに広く使用されます。
また、このグリチルリチン酸は、肌の炎症を抑える抗アレルギー作用や免疫細胞の調節作用も併せ持っています。そのため、食品への使用以外にも化粧水をはじめとしたスキンケア用品や、炎症を鎮める目的で鼻炎薬や点眼薬などの医薬品などにも使用されています。
グリチルリチン酸とその活用について
古くから生薬として親しまれてきた甘草(カンゾウ)。
その根に含まれる主成分グリチルリチン酸には、抗炎症作用、免疫調節作用、肝細胞増殖作用などがあるとされていますが、水に溶けにくい性質のため、化粧品や医薬品に使用するには水溶性を高める必要があります。
そこで、グリチルリチン酸にカリウムを付加することで水溶性を高め、加工のしやすさを実現。
グリチルリチン酸にカリウムを付加した成分は様々な呼び方があり、主にグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸2K、グリチルリチン酸二カリウムなどが挙げられます。
成分は全て同じですが、配合される製品の分類(化粧品、医薬部外品)によって名称が異なります。
一方で、甘草から得られるグリチルリチン酸の脂溶性誘導体に、グリチルレチン酸ステアリルという成分も存在。こちらは油に溶ける特性があり、グリチルリチン酸ジカリウムと同様、化粧品などに使用されています。
グリチルリチン酸の持つ肌の炎症を抑える抗アレルギー作用や免疫細胞の調節作用といった特性は、現代の美容・医薬業界でも日々研究が重ねられ、様々な製品への採用がみられます。
カンゾウの採用事例
植物由来原料・カンゾウ(グリチルリチン酸ジカリウム)の化粧品メーカーへ向けた安定供給の実現事例
植物由来の甘味料・カンゾウ(甘草)の根に含まれる「グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)」には、肌の炎症を抑える成分があり、 主に化粧品に使用されています。収穫量が栽培状況や天候等により変動が起こりやすいため、化粧品メーカーのお客様から、BCP(事業継続計画)の観点によるリスクヘッジを求められました。
この課題に対して当社では、継続した原料の調達を行えるように、カンゾウのメーカーとも強固なパイプを持っているため、さらに弊社の高い自社の品質基準に適合するサプライヤーとパートナーシップを結ぶことにより、安定した供給体制を確立を実現しました。よって安全な品質を担保しつつ、コストを抑えて年間を通して一定した供給が可能になりました。
>>カンゾウ(グリチルリチン酸ジカリウム)の化粧品メーカーへ向けた事例はこちら
魚介の風味とコクを向上させた塩辛などの発酵食品
塩辛などの発酵食品を作る際に、「魚介のワタと肝の持つ、独特の風味とコクを引き立てたい」というお客様からご要望をいただきました。
風味の増強や改善させる特性のあるステビアとカンゾウを組み合わせることで、魚介の複雑で独特な風味とコクを引き立たせることに成功しました。
カンゾウ(グリチルリチン酸)/甘味料に関するお問い合わせ
こちらの記事では、植物由来のカンゾウ(グリチルリチン酸)について紹介いたしました。
グリチルリチン酸は、食品の甘味付けや塩なれ以外にも、優れた抗炎症作用を持ち併せており、幅広い業界で使用されている注目の成分です。
当社では食品業界以外にも化粧品業界にも注力し、多様なニーズを抱えたお客様に貢献できるよう努めていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。