【徹底解説】ステビア抽出物の特徴について。安全性評価基準を満たす日本規格や食品への活用事例をご紹介

ゼロカロリー飲料やダイエット食品など、最近よく目にする「ステビア入り」の商品。人気が高まる一方で、「ステビア甘味料」「ステビア抽出物」とは実際にどんなものなのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
2025年5月に開催された食品素材・添加物の専門展示会「ifia JAPAN 2025」では、ステビア工業会のブースにて、甘味成分の種類や日本国内の規格、活用方法などが紹介され、多くの来場者の関心を集めていました。
本記事では、ifia JAPAN 2025での取材をもとに、ステビア甘味料の基本情報や種類、日本での規格、実際の使用例まで、わかりやすく解説していきます。
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【ifia JAPAN 2025】ステビア工業会ブースをレポート
2025年5月21日~23日に開催された「ifia JAPAN 2025」。
ifiaとは、食品開発者や企業が集まる、食品素材や添加物に関する国際的な展示会です。
食品や素材・添加物の最新トレンドが集まるこの展示会にて、ステビア工業会のブースも出展されており、その歴史から学術的な説明、また実際にステビアが使用されている商品などの展示があり、昨今の植物由来原料への興味関心の高さからか、ブースは常に賑わいを見せていました。
今回は、このステビア工業会のブースでも紹介されていた、ステビアの特徴や国内の規格など、ステビアについて改めてフォーカスしていきたいと思います。
ステビア甘味料とは
砂糖の約200倍の甘味度を持つ植物由来の甘味料「ステビア抽出物」。
キク科の多年性植物「ステビア・レバウディアナ・ベルトニー」の葉から抽出・精製され、特有の苦味と後引く甘さが特徴です。
さらに加熱による褐変を起こさず、非発酵性、pHも安定していることから、砂糖の代替甘味料として食品や清涼飲料など幅広い用途に活用されています。
ステビア甘味料の種類と、日本での規定
日本では、2018年「第9版食品添加物公定書」に正式に収載され、ステビア甘味料の種類や品質が定められています。
国内では2種類のステビア甘味料が、以下の4つの規格に分類されています。
種類①ステビア抽出物
ステビア抽出物としての規格
ステビアの葉から抽出した甘味成分「ステビオール配糖体」4種の合計量が80%以上であることが規定で決められています。
【ステビオール配糖体4種】
- ステビオシド
- レバウジオシドA
- レバウジオシドC
- ズルコシドA
ステビオール配糖体としての規格
上記のステビア抽出物規格を満たし、かつ、ステビオール配糖体9種の合計として95.0%以上であることが求められています。
【ステビオール配糖体9種】
- ステビオシド
- レバウジオシドA
- レバウジオシドC
- ズルコシドA
- レバウジオシドB
- レバウジオシドD
- レバウジオシドF
- ルブソシド
- ステビオールビオシド
※いずれもJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)の安全性評価基準に適合しています。
種類②酵素処理ステビア
ステビア抽出物を酵素処理することで、雑味や苦味を低減し、よりクリアな味質を実現したものです。
α-グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビアとしての規格
α-グルコシル化ステビオール配糖体4種、および、それらの未反応配糖体の合計量として80.0%以上であることが規定で決められています。
【α-グルコシル化ステビオール配糖体4種】
- ステビオシド
- レバウジオシドA
- レバウジオシドC
- ズルコシドA
α-グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビオール配糖体としての規格
ステビオール配糖体を酵素処理したα-グルコシル化ステビオール配糖体9種、および、それらの未反応配糖体の合計量として95.0%以上であることが求められています。
- ステビオシド
- レバウジオシドA
- レバウジオシドC
- ズルコシドA
- レバウジオシドB
- レバウジオシドD
- レバウジオシドF
- ルブソシド
- ステビオールビオシド
上記のような規定を満たした品質のステビア抽出物/酵素処理ステビアのみが、様々な食品に活用されています。
では次に、ステビアの特性と、使用例をご紹介していきます。
ステビア甘味料の特性と使用例をご紹介
ステビア甘味料はさまざまな特性を持つことから、食品への活用へのメリットも多く、多彩な製品に利用されています。
- コストダウン(高甘味度のため、ごく少量で甘味付けが可能)
- 味質改良(塩味を取り除き、酸っぱさをとり、まろやかな味にする)
- 褐変現象(アミノ酸との反応による褐変現象をおこさない)
- 低糖(高甘味度のため、ごく少量で甘味付けが可能)
- 非う蝕性(虫歯になりにくい)
- 安定性(100℃でも変化せず、pH2.5~9の範囲でも安定している)
- 非醗酵性(微生物の栄養源になりにくい)
- 氷点降下(氷点降下が小さく、氷菓を作りやすい)
- 植物由来(キク科の多年性植物のステビアの葉由来)
続いて、ステビアの特性を活かした、弊社の具体的な活用事例をご紹介します。
ステビアと複数甘味料の活用で実現した、黒砂糖のようなコクのある卓上甘味料
「植物由来の甘味料だけで、黒砂糖のようなノンカロリーの卓上甘味料(砂糖代替品)をつくりたい」というご要望をいただきました。
これに対し、エリスリトールに複数種のステビアとラカンカエキスを独自に配合することで、黒砂糖のような深みのある味を表現することができました。
卓上甘味料をつくるには流動層造粒機械が必要ですが、当社では設備も保有しているため、原料の調達から製造まで一貫してご提案が可能です。
ステビアとスクラロースを使用して、果汁原料の価格高騰対策。桃らしい風味をキープしながらコストダウンへ
今回は果汁の原料価格高騰を背景に、ピーチスカッシュやピーチサワーなどに代表される「桃」飲料に使用するコンクについて、ご相談をいただきました。
桃らしい爽やかな甘味や、中盤から後半にかけて厚くなる甘味を表現するために、複数の高甘味度甘味料を組み合わせて、コンク(濃縮液)に使用されている液糖の一部を、スクラロースとステビアを組み合わせたものに置き換えました。
結果、完熟白桃のような風味と果汁感が増強され、満足感のある飲み口を表現することに成功。
甘味料代替による果汁感の表現に加えて、液糖の使用量を減らすことにより、コストダウンにもつながっています。
甘味料の採用に関するお問い合わせ
本記事では、「ifia JAPAN 2025」のレポート取材より、ステビア甘味料の基本情報と日本での規格に加え、弊社での実際の使用例をご紹介しました。
<食品・飲料メーカーの皆様へ>
弊社では、ステビアや酵素処理ステビア以外にも、常時30種類以上の甘味料や甘味料製剤を取り揃えております。
甘味料を砂糖の代替として使用することで、コスト削減や味質の改善など、様々な効果が期待できます。
各甘味料の特性を活かして、求める商品の理想の味や風味を実現するためのお手伝いをさせていただくことも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
>>Ifiaレポート第二弾:ステビアの歴史の記事はこちら