甘いのに虫歯になりにくいキシリトールの正体とは?基本特性に徹底フォーカス!
ガムのパッケージやオーラルケアの情報などでよく見かける「キシリトール」。
「歯にいい」というのはなんとなく知っているけれど、そもそも何からできているのか、なぜ甘いのに虫歯にならないのか、不思議に思ったことはありませんか?
そこで今回は、知っているようで知らないキシリトールについて徹底解説していきます。
<この記事でわかること>
1.キシリトールの正体と特徴
2.キシリトールが虫歯予防に重宝される理由
3.キシリトールの摂取でお腹がゆるくなる理由
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キシリトールの正体は「白樺」などから抽出された天然成分
「キシリトール(Xylitol)」はその名前の響きからか、人工的な化学物質だと誤解している人も少なくないのですが、白樺や樫などの広葉樹から抽出される成分(キシラン・ヘミセルロース)を原料とする糖アルコールの一種で、イチゴやカリフラワーといった野菜・果物にも含まれる天然の甘味成分です。
1970年代にフィンランドで虫歯予防効果が研究されて以来、北欧を中心に世界中でガムやキャンディなどに利用されてきたキシリトールは、日本でも1997年に食品添加物として認可されて以降、四半世紀以上にわたり日常的な加工食品の甘味料として広く、かつ安全に消費され続けてきた食経験豊かな甘味料です。
キシリトールの特徴
キシリトールは、砂糖に近い甘味度のまろやかな甘味を持ち、口に入れるとひんやりとした冷涼感のある糖質系甘味料です。
下記にてキシリトールの主な特徴を一覧表にまとめました。
| 味質 | 砂糖に近い甘味度。まろやかな甘味で、甘さがあとに残らない。 |
| カロリー | 砂糖の75%(2.4kcal/g) |
| 非う蝕性 | 虫歯の原因になりにくい |
| 熱安定性 | 加熱による着色(メイラード反応)が起こりにくく、加工適性が高い |
| 吸熱反応 | 口の中で溶ける際、周囲の熱を奪い、ひんやりと感じる |
| 使用されている商品例 | ガム、タブレット、キャンディ、歯磨き粉・洗口液など |
キシリトールが虫歯予防に重宝されている理由
様々な特性を持つキシリトールですが、とりわけ広く知られているのは「虫歯予防に効果的」ということ。
この理由としては、主に以下の3点が考えられています。
1.原因菌を増やさない
虫歯菌(ミュータンス菌)は、一般的な砂糖とは異なりキシリトールを分解して「酸」を作ることができません。そのため、歯を溶かすリスクを直接的に抑えられます。
2.虫歯菌の活動を弱める
虫歯菌がキシリトールを取り込んでもエネルギーに変換できず、取り込みと排出を繰り返すうちにエネルギーを消耗し、菌の増殖や粘り気のあるプラーク(歯垢)の形成が抑制されます。
3.再石灰化をサポートする
キシリトール特有の甘みが唾液の分泌を促進。唾液に含まれるリンやカルシウムが歯に戻る「再石灰化」を助け、酸に強い丈夫な歯を保つ環境を整えます。
キシリトールは、虫歯の原因となる『酸』を作らせないだけでなく、菌そのものを弱体化させ、さらに唾液による歯の修復(再石灰化)を促すという、3段構えのメカニズムで歯の健康を守るため、オーラルケアや虫歯予防の強い味方になっています。
キシリトールでお腹がゆるくなる?
キシリトール入りのガムなどでよく見かける「一度に多量に食べると、体質によりお腹がゆるくなる場合があります」といった注意表示。
これは糖アルコール全般に見られる性質で、小腸で吸収されにくいため、腸内の水分量が増えることで起こる一時的な現象です。
製造現場ではこれを回避すべく、エリスリトールなどの他の甘味料と併用することで、1食あたりのキシリトール含有量を調整。
リスクを低減しつつ美味しさを維持することで、消費者が安心して摂取できる商品作りを心がけています。
※人間には安全なキシリトールですが、犬などのペットにとっては非常に毒性が強く、少量でも命に関わることがあります。 ペットを飼っている方は、摂取する際に使用上の注意をよく読み、保管場所に十分注意してください。
甘味料の採用に関するお問い合わせ
本記事では、知っているようで知らなかった甘味料「キシリトール」について、虫歯予防の利点を中心にその特性をご紹介しました。
<食品・飲料メーカーの皆様へ>
弊社では、キシリトールのほかにも常時30種類以上の甘味料製剤を取り揃えております。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。
*参考資料
Xylitol-containing products for preventing dental caries in children and adults/Cochrane Database of Systematic Reviews (2015)
Threshold for transitory diarrhea induced by ingestion of xylitol and lactitol/Journal of Nutrition Science and Vitaminology (2007)
Xylitol is prothrombotic and associated with cardiovascular risk/European Heart Journal(2024)
厚生労働省 e-ヘルスネット
