植物由来の甘味料・甘草（カンゾウ）のサステナブルな原料調達の仕組みを徹底解説

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甘草とは

甘草（カンゾウ）とは、マメ科の多年性草本。
カンゾウは植物種や主な産地、成分組成の違いから、「スペインカンゾウ」や「ウラルカンゾウ」など複数の種類が存在します。
　→「カンゾウの産地による種類について」の記事はこちら

乾燥させた根は古くから漢方薬として用いられてきたことでも馴染みのあるカンゾウは、砂糖の約200～300倍の甘味度を持ち、後引きの強い甘みと、特有の風味が特徴です。

漬物、珍味、スナック菓子などの食品のほか、主成分であるグリチルリチン酸が持つ抗炎症作用や免疫細胞の調節作用などから、薬用・一般化粧品の有効成分として、幅広く使用されています。

サステナブルな原料調達への取り組み

カンゾウは天然の植物資源であるため、安定供給と環境への配慮を両立した持続可能な調達や活用が求められています。

ここでは、カンゾウのサステナブルな調達方法やその取り組みについてご紹介します。

政府規制による収穫量のコントロール

カンゾウ根の収穫や輸出には、許可証の取得が必要な国々から輸入することで、過剰な収穫による資源の枯渇を防ぐ仕組みが整えられています。

例えば、カザフスタンなど中央アジアでは、サステナブルな野生採取に向けた制度設計・合法性確認・トレーサビリティ強化が進行中で、生産各国の政府による厳しい規制のもと、採掘量や輸出量が制限されているのだとか。*

これにより、カンゾウの資源を持続的に管理し、安定的な供給が実現されています。

収穫方法によるカンゾウ資源の保護

野生資源は採取圧による資源減少が懸念されるため、カンゾウが絶滅してしまわないよう、採取量・採取周期・根部残しなどのルール化が重要といわれています。

さらに、収穫場所が特定の地域に偏らないよう、年ごとに収穫地を変える方法が取られているそうです。*

こうした取り組みにより、カンゾウが再び育つ環境が保たれ、地域からなくなることを防ぎ、市場への安定した供給に繋げています。

カンゾウの活用事例

最後に、弊社のカンゾウを活用した商品の事例をご紹介します。

塩味を軽減させ、塩かどのとれた美味しい漬物

漬物を作るにあたり、「塩分は落とさずに、塩味を抑えて食べやすいようにしたい」というご要望に対し、ステビア、カンゾウ、スクラロースの塩かどをマスキングする効果を活用。
塩かどのとれたマイルドで美味しい漬物を作るご提案につながりました。

＞＞カンゾウを漬物に使用した事例はこちら

旨味のバランスがとれたマイルドな焼肉のたれ

焼肉のタレを作るにあたり、「塩味をおさえつつ、旨味のきいた商品にしたい」というご要望に、かどをマスキングする効果のあるステビア、カンゾウ、スクラロース、サッカリンナトリウム（サッカリンNa）をご提案。
旨味のバランスがとれた美味しいたれが完成しました。

＞＞カンゾウを調味料に使用した事例はこちら

甘味料の採用に関するお問い合わせ

本記事では、カンゾウの特徴と、環境に配慮したサステナブルな原料調達の取り組みについて、弊社での実際の活用事例と併せてご紹介しました。

＜食品・飲料メーカーの皆様へ＞
弊社では、自社の厳しい基準による高品質な甘味料・甘味料製剤を、カンゾウのほかにも約30種類以上、常時ご用意しております。
それぞれの甘味料が持つ特性を活かした商品設計のために、国内外の強固なネットワークを活用して最適にサポートさせていただきます。
甘味料に関するあらゆるお悩みは、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

*参考資料
SWEET DREAMS/ ASSESSING OPPORTUNITIES AND THREATS IN KAZAKHSTAN’S WILD LIQUORICE ROOT TRADE
THE INVISIBLE TRADE/WILD PLANTS AND YOU
FairWild Foundation and GIZ promote sustainable wild liquorice production