原料価格高騰の救世主!?高甘味度甘味料を活用した食品製造のコストダウン戦略

世界的な天候不順や物流コストの上昇に為替変動…。近年、複合的な要因によって、砂糖や果汁、カカオ、乳製品など各種原料の価格高騰が続いています。しかしながら食品製造の現場では、物価高に悩む消費者のためにも、安易な値上げは避けたい…というのが大きな課題となっています。
こうした背景の中、あらためて注目されているのが「高甘味度甘味料」。
ごく少量でしっかりと甘味を加えることができる高甘味度甘味料は、砂糖の代わりの甘味付けはもちろん、その特性に応じた使い方で、原料の代替として風味増強などにも活用され、食品製造時のコストダウンに一役買っている存在です。
今回は、この高甘味度甘味料を使った食品製造のコストダウンとは一体どういうものなのか、しっかり解説していきたいと思います。
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高甘味度甘味料とは
甘味料とは、食品に甘味を加える調味料の総称ですが、その中でも、砂糖の数十倍~数万倍の甘さを持つのが「高甘味度甘味料」です。
高甘味度甘味料は、砂糖とは甘さの感じ方や物性が異なるため、目的に応じて様々な商品に使い分けられています。
いずれも、厚生労働省や食品安全委員会による厳格な審査を経て、安全性が確認されたものだけが認可されており、私たちの食生活を支えています。
高甘味度甘味料の種類
ここでは、代表的な高甘味度甘味料の種類をご紹介します。
スクラロース…砂糖の約600倍の甘味度を持つ甘味料。まろやかな甘味を持ち、苦味や渋味等の雑味はほとんど感じない。体内で代謝されないためカロリーはゼロ。
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アセスルファムカリウム(アセスルファムK)…砂糖の約200倍の甘味度を持つ甘味料。甘味の発現が早く、キレ味も良いという特徴を持つ。
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アスパルテーム…砂糖の約200倍の甘味度を持つ甘味料。クセや雑味の少ないまろやかな甘味を有しているアミノ酸系の甘味料。
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サッカリンナトリウム(サッカリンNa)…砂糖の約300倍の甘味度を持つ甘味料。サッパリとした甘味をもち、古くから漬物などに使用されている。
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ステビア…砂糖の約200倍の甘味度を持つ植物由来の甘味料。独特な香味と苦味があり、後を引く甘さがありますが、コクのある甘味を付与でき塩なれ効果に優れている。
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カンゾウ抽出物…砂糖の約200~300倍の甘味度を持つ植物由来の甘味料。マメ科の多年性植物・カンゾウより抽出精製され、主成分にグリチルリチン酸を含む。
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高甘味度甘味料がコストダウンにつながる理由
砂糖と比較して数十倍~数万倍の甘さを持ち、「少量でしっかりとした甘みを与えられる」のが、高甘味度甘味料の最大の特徴。
わずかな量で十分な甘味を実現できるため、砂糖や果汁といった主要原料の使用量を削減しながらも、従来と変わらない味覚を維持することが可能になります。
さらに、高甘味度甘味料には様々な特性を持った種類があるため、作りたい商品に応じて組み合わせや配分を調整することで、風味や味質の向上などにも寄与します。
単に「コストを下げる」ための代替手段ではなく、「求める味を効率的に表現する」ための機能素材として活用できるのです。
また、砂糖の数十倍~数万倍もの甘味度を生かして、砂糖の代替とすることで、その使用量の大幅削減も可能にします。
これにより、輸送コストや製造現場の作業負荷も軽減し、保管効率の向上にもつながり、製造工程全体のコストダウンにつながります。
消費者にとっても嬉しい理由がある!?
低カロリーや低糖質といった健康志向が高まっている昨今の食品市場。
高甘味度甘味料を活用することで、単なるコスト削減だけでなく、健康価値を加えた製品づくりが可能になります。
つまり、「価格の安定」と「消費者ニーズへの対応」を同時に実現できるということ。
「おいしさを守りながら原料コストをコントロールする」実用的な手段として、さらにはマーケットが求めるヘルシー志向な商品も実現できる代替原料として、高甘味度甘味料は現代社会の食生活に欠かせない存在になっていると言えるでしょう。
高甘味度甘味料代替によるコストダウン事例
最後に、弊社の高甘味度甘味料を活用したコストダウンの事例をご紹介します。
甘味料活用によるみかん飲料の果汁削減とコストダウン実例
みかん果汁原料の価格高騰が続き、原料の安定供給が懸念される中、みかん飲料に使用する果汁量を減らしても風味を損なわない商品設計が可能となる選択肢を複数確保しておきたい、とご相談いただきました。
みかん果汁を減らした分の飲みごたえや果汁感を、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、ステビア、スクラロースで補完しながら、コストの大幅削減にもつながりました。
レモンサワーの果汁原料の価格対策と味質向上を甘味料で実現
レモンサワーなど果汁を使ったアルコール飲料においては、安定した価格での供給が難しくなっている昨今。一部果汁原料を甘味料で代替しコストを抑えながらもレモンの柑橘系風味を向上させる提案を行いました。
先味が強くキレのある甘味を表現するために、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)を使用し、レモンの香りを引き立てた、フレッシュな爽快感を実現しました。
甘味料の採用に関するお問い合わせ
本記事では、高甘味度甘味料を活用したコストダウンについて、弊社での活用事例と併せてご紹介しました。
<食品・飲料メーカーの皆様へ>
弊社では、自社の厳しい基準をクリアした高品質な甘味料・甘味料製剤を、常時約30種類以上、常時ご用意しております。
それぞれの甘味料が持つ特性を活かしながら、商品の味作りはもちろん製造コストの削減や、原料調達などのお悩みも、最適にサポートさせていただきます。
甘味料に関するご質問やご要望は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。