拡大する高甘味度甘味料市場。多様化するニーズと用途について徹底解説!

食品・飲料など様々な商品に使われている甘味料は、食品添加物の一種であり、甘味料は主に甘さを付与する目的で使用されます。
その中で、とくに砂糖と比較して高い甘味度を持つ「高甘味度甘味料」は、近年その取り扱い量が増えており、世界市場では、2023年から2031年にかけて年平均成長率(CAGR)3.2%で成長すると予測されています。*
今回の記事では、この甘味料をとりまく市場動向と、使用用途についてご紹介してまいります。
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食品添加物と甘味料市場の動向
食品添加物とは、食品の風味や保存性、品質を向上させるために使用される物質の総称。
日本では厚生労働省や食品安全委員会により安全性が認められたもののみが食品添加物として認可されています。
甘味料や着色料、保存料、香料などがあり、それぞれ目的に応じて様々な食品等に使い分けられています。
食品添加物の市場規模は、年々拡大しているとも言われており、2018年度の食品添加物市場は、前年度比1.1%増の7,939億円と発表されています。*
そのうち最も取り扱い量が多いのが甘味料で全体の33%を占めており、市場規模は約2,381億円と推定されます。*
また、甘味料のうち低甘味度甘味料の販売額は減少傾向にあるものの、高甘味度甘味料は右肩上がりに推移しています。
高甘味度甘味料とは
甘味料の中でも販売額推移が上昇傾向にある高甘味度甘味料。
高甘味度甘味料とは、少量で強い甘みを感じられる甘味料のことを指し、砂糖の数百~数万倍程度の甘味を有することから、ごく少量で食品や飲料の甘みを調整することが可能です。
高甘味度甘味料に分類される甘味料
■スクラロース…砂糖の約600倍の甘味度を持つゼロカロリーの甘味料。まろやかな甘味と優れた安定性が特徴
■アセスルファムカリウム(アセスルファムK)…砂糖の約200倍の甘味度を持つ甘味料。甘味の発現が早く、キレ味が良い
■アスパルテーム…砂糖の約200倍の甘味度を持ち、クセや雑味のないまろやかな甘味が特徴の甘味料
■サッカリンナトリウム(サッカリンNa)…砂糖の約300倍の甘味度を持つ甘味料で、若干の苦みとさっぱりとした甘味が特徴
■ステビア抽出物…砂糖の約200倍の甘味度を持つ植物由来の甘味料。複雑な甘味成分を持つため、様々な呈味表現をしやすい
■酵素処理ステビア…高純度のステビア抽出物に酵素を用いて糖を付加した甘味料。砂糖の約120~150倍の甘味度を持つ
■カンゾウ抽出物…砂糖の約200~300倍の甘味度を持つ甘味料。後引きの強い甘みと、特有の風味が特徴
高甘味度甘味料の使用用途
主に甘味調整を目的に砂糖の代替として使用されていますが、カロリー調整やコスト削減目的での使用、また高甘味度甘味料の独特な味の表現力も注目されているようです。*
具体的な食品への使用用途をみると、半数以上を占めているのが飲料。
清涼飲料水、エナジードリンク、プロテイン飲料、乳飲料、アルコール飲料など、様々な飲料に採用されていることが伺えます。
次いでゼリーやサプリメント、菓子・アイス類、漬物が続き、その他、調味料や加工食品など様々な製品に採用されています。
高甘味度甘味料が活用された事例
ここでは、実際に高甘味度甘味料が飲料に採用された事例をご紹介します。
<スクラロース×アセスルファムK>スポーツ飲料を処方から設計
「スポーツドリンク風味の粉末飲料の処方設計と製造」を依頼できるか、ご相談をいただきました。
配合するミネラル量が指定されていたため、限られた容量の中でどのような甘味料が合うのか試作をしました。その結果、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)とスクラロースの組み合わせが最適であることが判明し、採用に至りました。本製品は、現在もロングセラー商品となっています。
>><スクラロース×アセスルファムK>活用事例の詳細はこちら
<スクラロース×アセスルファムK>ミルク入り缶コーヒーの美味しさを砂糖の代替品で追求
「ミルク入り缶コーヒーの美味しさを砂糖代替品で実現しながら、商品を継続的に製造販売していきたい」というご要望をいただきました。さらに、あわせてBCP(事業継続計画)の観点から、商品に使用する甘味料の複数購買もご検討いただいておりました。
缶コーヒーの甘味付けには、甘味の発現が早くキレ味が良いアセスルファムカリウム(アセスルファムK)と、まろやかな味のスクラロースを組み合わせて活用することで、嫌な苦みを緩和しながらコーヒーらしいキレと乳感を増強し、全体の風味を整えることができました。
当社では仕入先の定期監査を実施し、日本向けに不純物の少ないハイグレード品を協同で開発するなど確かな品質の確保に努めております。また、国内に在庫を潤沢に確保することで、高品質な商品を安定した価格で継続的に提供することを可能にしております。
>><スクラロース×アセスルファムK>活用事例の詳細はこちら
甘味料に関するお問い合わせ
こちらの記事では、甘味料を含む食品添加物の市場動向と、高甘味度甘味料の使用用途をご紹介いたしました。
<食品・飲料メーカーの皆様へ>
弊社では、高甘味度甘味料単体の他、常時30種類以上の甘味料製剤を取り扱っております。
過去の様々な事例や知見を基に、それぞれの甘味料の特性を生かしてお客様の商品作りをサポートさせていただきます。
ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
*参考資料
straitsresearch「高甘味度甘味料市場: 種類、用途、エンドユーザー (食品および飲料、栄養補助食品、医薬品)、および地域別の情報 — 2031 年までの予測」
TPC市場調査レポート「2020年 食品添加物の市場分析調査」
エーリック「令和4年度加糖調製品等の用途別消費動向に関する調査結果について」